内閣官房長官談話

平成12年12月15日

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政府は、本日、安全保障会議及び閣議において、「中期防衛力整備計画(平成13年度~平成17年度)について」を決定いたしました。

この計画は、平成7年11月に決定された防衛計画の大綱の下、現中期防に引き続き、継続的かつ計画的に防衛力を整備するために策定したものであります。5年前に政府は、冷戦終結という国際情勢の大きな変化を踏まえ、21世紀に向けての我が国の防衛力の在り方を示すものとして、防衛計画の大綱を策定したところですが、本日決定されたこの計画は、20世紀を締めくくるに当たり防衛大綱の達成に着実な道筋をつけるものと考えております。

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冷戦終結後の国際社会においても、幾多の重要な事象や様々な動きが見られることから、政府としては、この計画を策定するに当たり、まず、現下の国際情勢について、防衛大綱の策定に当たって考慮された国際情勢のすう勢との関係をいかに評価すべきか検討しました。

その結果、全般的状況としましては、主要国間の関係は種々の問題をはらみながらも基本的には安定しており、地球的規模の武力紛争の発生の可能性は低くなっておりますが、一方で、複雑で多様な要因を背景にした地域紛争の発生、大量破壊兵器等の拡散の進行等、さまざまな不安定要因が存在しております。このような中、国際社会による種々の安定化努力が継続しています。

また、アジア太平洋地域については、朝鮮半島における先般の歴史的な南北首脳会談などの前向きな動きも見られる一方、冷戦終結後も軍事力の拡充・近代化が見られるなど依然として不透明・不確実な要素が残されております。このような状況の下、日米安全保障体制は我が国の安全の確保にとって必要不可欠なものであり、また、アジア太平洋地域における平和と安定を維持するために引き続き重要な役割を果たしていくものと考えられます。

かかる認識に立てば、現下の国際情勢は、防衛計画の大綱に定められた防衛力の役割や我が国が保有すべき防衛力の内容等の基本的枠組みを見直さなければならないような諸情勢の基本的な変化はないと考えられます。このようなことを踏まえれば、引き続き、安定的な安全保障環境を構築するための外交努力を行うとともに、日米安全保障体制の信頼性の向上を図りつつ、防衛計画の大綱の下、節度ある防衛力を整備することが適切と考えられます。

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この計画期間中の防衛関係費の総額の限度は、将来における予見し難い事象への対応、より安定した安全保障環境の構築への貢献等特に必要があると認める場合、安全保障会議の承認を得て、これら事業の実施について措置することができる1,500億円程度を含め、平成12年度価格でおおむね25兆1,600億円程度をめどとし、各年度の予算編成に際しては、おおむね25兆100億円程度の枠内で決定するものとします。

また、この計画については、3年後には、その時点における国際情勢、情報通信技術をはじめとする技術的水準の動向、経済財政事情等内外諸情勢を勘案し、上記の防衛関係費の総額の範囲内において必要に応じ見直しを行うこととしております。

なお、SACO(沖縄に関する特別行動委員会)関連事業については着実に実施し、その所要経費については別途明らかにすることといたします。

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この計画に基づき、防衛力の合理化・効率化・コンパクト化を進めるとともに、必要な機能の充実と防衛力の質的向上に努めてまいります。他方で、情報通信技術をはじめとする科学技術の進歩がこれまでの防衛戦略に大きな変化をもたらす可能性などに留意することも必要であります。このようなことから、将来にわたって的確に防衛力整備を進めていくため、科学技術の動向等を注視し、将来の防衛力の在り方や防衛力整備の進め方について検討を行うこととしております。

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最後に、この計画においては、戦闘機の訓練の効率化、事故防止、基地周辺の騒音軽減及び人道支援等の国際協力活動の迅速な実施と多目的な輸送に資するとともに、我が国の防空能力の向上を図るため、空中における航空機に対する給油機能及び国際協力活動にも利用できる輸送機能を有する航空機を整備することとしております。この航空機の機種選定については、安全保障会議で慎重審議の上、平成13年度中に決定することとしております。

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政府は、今回の決定を国会に御報告いたします。
国の防衛は、国家の最も基礎的な施策であり、絶ゆまぬ努力が必要であります。
国民の皆様におかれましても、御理解と御協力を切に希望する次第であります。

(以上)

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