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クローズアップ隊員 Close-up SDF personnel

写真:自衛官最後の日

自衛官最後の日

川添 博幸(56歳)

昨日の服を着てくればいいのに

退官挨拶のため事務所に顔を出した川添1尉に、同僚は口々に言った。

川添1尉の人柄を慕い約130名が出席して昨日行われた盛大な送別会に、川添1尉はオリンピックの赤いユニフォームを着て、同僚のつくる馬に乗って登場したのだった。

平成18年5月28日午前10時、
神奈川県横須賀市にある通信学校の本館。
今日は川添1尉退官の日だ。

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バランス感覚と体力検定1級が見込まれて

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川添1尉は1952年に鹿児島県で生まれ、中学卒業とともに陸上自衛隊に入隊した。

神奈川県横須賀市にある少年工学校を経て、1972年、通信陸曹として北海道札幌市真駒内にある第11通信大隊に配属された。

「仕事はやりがいがあったし、真駒内があまりにいいところだったので、ずっといるつもりだった」が、中学時代の剣道と少年工科学校時代にサッカーのキーパーで鍛えたバランス感覚、そして体力検定が1級だったことを見込まれ、1年で埼玉県朝霞市にある自衛隊体育学校に転属する。

フェンシングとの出会い、そして近代5種の選手に

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20歳から32歳までの間は近代5種の選手生活を送ることになる。
近代5種は、一人で射撃・フェンシング・水泳・ 馬術・ランニングと異なる5つの競技をこなし、順位を決める複合競技である。

ライバルは警視庁・大阪府警・自衛隊に限られていた。
「せっかく体育学校に来たのだからオリンピックに出場したい」モントリオール・オリンピックを皮切りにロサンゼルスオリンピックまで、4年周期の計画をたてて、次々と世界大会に出場した。

もともと脚力と目と間合いには自信があり、得意な種目はフェンシングだった。
銃剣道は嫌いだったが、フェンシングはかっこいいと思っていた。
コーチと1対1で色々な技術を磨き、それを発揮できるのがうれしかった。
20代後半でフェンシング協会の主催する全日本選手権でチャンピオンに駆け上がった。

外に行ったら近代5種は軍人のスポーツ。英国・ロシア・ポーランド・ドイツ・スウェーデン等、軍の施設で宿泊し、各国の軍人と交流できたことは何よりもの財産だ。