各制度の成り立ちから現在まで
我が国の予備自衛官制度においては、即応予備自衛官制度、予備自衛官制度、予備自衛官補制度という3つの制度が設けられています。 一番最初にできたのは予備自衛官制度です。予備自衛官制度は、昭和29年の自衛隊発足と同時に導入されました。
そして、平成9年度、従来の予備自衛官制度に加え、陸上自衛隊をコンパクト化する一方、予備自衛官よりも即応性の高い即応予備自衛官制度を導入しました。
また、平成13年度、国民に広く自衛隊に接する機会を設け、将来にわたり予備自衛官の勢力を安定的に確保するとともに 民間の専門技能を活用し得るよう予備自衛官補制度を導入し、平成14年度から採用を開始しました。
平成23年3月11日に発災した東日本大震災において、予備自衛官等制度発足以来初の災害招集等が実施されました。
本災害招集において、即応予備自衛官は、あらかじめ指定された陸自部隊の隊員として、主に岩手県や宮城県及び福島県の沿岸地域に派遣され、 給水支援や入浴支援、物資輸送などの被災者の生活支援活動や捜索活動等にあたりました。 また、予備自衛官は、救援活動をを実施している米軍の通訳、医療、部隊の活動を支援している駐屯地業務隊の業務などに従事しました。
なお、今回の災害招集等では、予備自衛官等が所属する企業などの勤務を休んで参加することを考慮して、 1週間から2週間を単位として、即応予備自衛官は延べ2,179人が、予備自衛官は延べ441人がそれぞれ招集されました。
制度の変遷
年代 | 予備自衛官制度の変遷 |
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昭和29年 | 予備自衛官制度導入 |
昭和33年 | 昇進開始 |
昭和36年 | 分割招集実施 |
昭和46年 | 准尉採用開始 |
昭和48年 | 1日間訓練開始 |
昭和49年 | 予備自衛官き章制定 |
昭和49年 | 陸上幕僚長褒賞開始 |
昭和59年 | 陸上幕僚長以下の褒賞を永年勤続者表彰として制度化 |
平成10年 | 即応予備自衛官制度導入 |
平成14年 | 予備自衛官補制度導入 |
平成14年 | 予備自衛官災害招集任務付加 |
平成16年 | 予備自衛官、即応予備自衛官の国民保護等招集任務付加 |
平成16年 | 2佐・3佐予備自衛官採用開始 |
平成23年 | 東日本大震災における災害招集(即応予備自衛官及び予備自衛官) |
平成26年 | 制度設立より60周年を迎える |
平成28年 | 熊本地震における災害招集(即応予備自衛官) |
平成30年 | 7月豪雨における災害招集(即応予備自衛官) | 北海道胆振東部地震(即応予備自衛官) |
令和元年 | 1佐予備自衛官採用開始 | 令和元年東日本台風(台風19号)における災害招集(即応予備自衛官及び予備自衛官) |
令和2年 | 新型コロナウイルス感染拡大防止における災害招集(予備自衛官) | 令和2年7月豪雨における災害招集(即応予備自衛官及び予備自衛官) |
昭和29年 陸上自衛隊創設
昭和30年度第1回予備自衛官招集訓練(新町部隊)
昭和50年度中央記念式典における予備自衛官の行進
昭和57年度中央記念式典における予備自衛官の行進
平成6年度中央記念式典における予備自衛官の行進
平成12年9月3日 東京都総合防災訓練に参加のため羽田空港に到着した即応予備自衛官
平成15年9月1日 岩手県総合防災訓練に参加し担架搬送訓練実施中の予備自衛官
第2教育団(大津駐屯地)で招集教育訓練実施中の予備自衛官補
平成22年10月24日 自衛隊記念日観閲式に参加の予備自衛官部隊
東日本大震災において災害等招集され、編成完結式に臨む即応予備自衛官
東日本大震災での災害等招集において、物資運搬に従事する即応予備自衛官
東日本大震災におけるトモダチ作戦において、通訳として活動する予備自衛官
東日本大震災での災害招集において、駐屯地警衛業務に従事する予備自衛官
防災訓練おける自衛隊物資搬送訓練(平成24年度予備自衛官中央訓練)
平成28年熊本地震における即応予備自衛官災害招集(動画でご覧いただけます)
北海道胆振東部地震災害招集において入浴支援に従事する即応予備自衛官
新型コロナウイルス感染拡大防止災害招集において従事する予備自衛官
令和2年7月豪雨災害招集において衛生支援に従事する予備自衛官