(1) 即応予備自衛官員数の削減について
新たな陸上防衛体制において即応予備自衛官員数を7,000人に削減することとしましたが、陸上自衛隊として即応予備自衛官に対する期待度・重要性は今までと変わるものではなく、むしろ大きくなったと言っても過言ではありません。すなわち、
ア 常備自衛官部隊の新たな脅威や多様な事態に対応する場合における縦深性としての重要性
新たな脅威や多様な事態に実効的に対応するためには、常備自衛官部隊が有事平時の区別なく速やかに対応することが重要ですが、常備自衛官のみで一定期間以上作戦を続けることは困難です。即応予備自衛官・コア部隊は、事態発生後、常備自衛官部隊による初動対処に引き続いて迅速に立ち上がり、常備自衛官部隊による対応の手薄な正面を強化し、あるいは必要な正面を増強し、もしくは能力が消耗しつつある正面の増強・交代等、初動対応のための常備自衛官部隊の縦深戦力として重要な役割が期待されています。

8都県市防災訓練に参加する即応予備自衛官 |
イ 即応事態及び本格的な侵略事態対処における重要性
即応事態及び本格的な侵略対処において、常備自衛官部隊とともに立ち上がり、国土防衛作戦の当初から作戦地域において行動し、侵略を排除するといった任務は不変であり、コア部隊の果たすべき役割の重要性はこれまでと変わるものではありません。
ウ 災害派遣等平時の役割遂行のための重要性
有事のみならず、災害派遣等平時の役割遂行のために予備自衛官等の果たす役割の重要性は増大しています。中でも部隊としての精強性と団結を誇る即応予備自衛官・コア部隊への期待は特に大きいものがあります。 |
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(2) コア部隊の保持要領の見直しについて
これから陸自が対応せざるを得ない新たな脅威や多様な事態はいつ発生す るか予測困難であり、いったん発生した場合、一刻の遅滞なく速やかに対応することが求められています。しかしながら、現行のコア部隊は各種の制約により立ち上がりまでに最短でも数日を要し、これまでの対着上陸作戦のように作戦行動の当初から常備自衛官部隊と連携して行動を開始することは困難と言わざるを得ません。そこで即応度に応じて部隊の保持要領を区分し、師団・旅団は常備自衛官のみで構成して師団・旅団としての迅速な能力発揮が可能な態勢を整備するとともに、コア部隊は新たに編成される方面混成団(仮称)の下に編合することとしました。これにより、師団・旅団が事態に即応して対処し、方面隊はコア部隊を保持することにより、その後の部隊運用により融通性を持つことができます。また、方面隊としてコア部隊・即応予備自衛官を一括管理することにより、平時の招集訓練を効率的・効果的に実施するとともに、即応予備自衛官の訓練出頭・個人管理をより適切に実施し得る態勢を整備することも可能になると考えています。
この際、コア特科大隊・コア施設科中隊等の職種部隊は、方面混成団(仮称)のみで訓練環境を整備することが困難となり、また装備品管理についても負担が大きいと考えられることから、平時は常備の特科群・施設群の隷下外指揮を受けることとしています。 |
(3) コア部隊の職種の減少について
従来、師団・旅団内の1コ戦闘単位をコア部隊として各職種コア部隊を保持していましたが、今回の体制見直しに伴いコア部隊の適正な保持要領を検討しました。この結果、即応予備自衛官員数が減少する中で班・小隊レベルの小規模コア部隊を多数保持することは管理上、非効率であると判断し、今後の対応について、普通科・特科・施設科の各職種部隊及び整備部隊に限定してコア部隊を保持することとしました。 |
(4) 今後の対応について

戦闘訓練を実施中の即応予備自衛官 |
即応予備自衛官隊員にあっては、これまで厳しい出頭環境の中、招集訓練に出頭し、職種隊員としての練度を磨き、部隊としての団結を培ってきたところ、その成果を無に帰してしまうことに対して痛恨の念を禁じ得ませんが、将来に向けた新たな体制整備に対して広く理解を賜りたいと思います。
なお、所属する職種部隊が廃止されたとしても、他職種部隊の中でも共通のポストへの配置は可能であり、また職種転換教育を受けることにより新たな職種部隊における、より大きな活躍の場も得ることが可能です。また、部隊までの訓練出頭距離が長くなる等の不都合が生ずることもあろうかと思われますが、共通的な訓練は従来どおり最寄り駐屯地で実施する等、即応予備自衛官個人にかかる負担の増大を極力抑える施策も併せて実施することとしています。 |