四国霊場八十八カ所の由来等
(1) 釈迦遺跡との関連説
   延暦23年(804)に、中国(唐)に渡った弘法大師が留学中に唐の都、長安の醴泉寺で、北インド人の般若三蔵(高僧)や、牟尼室利
 三蔵から梵語を学び、その時般若三蔵にお釈迦様の遺跡八塔の霊地について教えられた。帰国後、釈迦八塔の十倍にあたる八十塔と、
 その元数である八塔を加算した八十八カ所の霊場を自分の故郷の四国に開いた。
(2) 八十八煩悩消滅説
   人間の元来持っている煩悩を一つ一つ消滅させていくために八十八カ所の霊場を回る。
(3) 厄除け説
   男女の大厄(男42歳、女33歳、子供13歳)の数を合わせると八十八になるところから、厄災を除く意味で八十八カ所の霊場をまわ
  る。
   以上の3説があるが、四国霊場は、約1200年前に弘法大師が四国を巡錫された際、従来から存在していた寺や、新たに大師が開い
 た寺など、八十八カ所を選ばれてそれらを霊場と定めたとする説が最も信頼されている。 

○ 「本打ち」・「逆打ち」
   遍路の人々が薄い板のお札を各霊場の御堂に打ち付けてこられたので「巡拝」のことを「打つ」ともいわれ第一番の札所から終わりの
 第八十八番の順路で巡礼することを「本打ち」(順打ち)といい、第八十八番から逆に巡礼することを「逆打ち」と呼ばれている 。  

○ 県ごとの寺番号
  阿波(徳島県)第 一  番 〜第二十三番 「発進の道場」
  土佐(高知県)第二十四番〜第三十九番 「修行の道場」
  伊予(愛媛県)第 四十 番 〜第六十五番 「菩提の道場」
  讃岐(香川県)第六十六番〜第八十八番 「涅槃の道場」

○ 弘法大師の三大霊跡
  紀州 高野山
  京都 東寺
  善通寺(真言宗善通寺派総本山)約3万平方メートル
  寺名は、父親の佐伯善通卿の名をとり「善通寺」とした。
  県指定の天然記念物「大楠」樹齢千数百年

八十八カ所寺名
  発心の道場「阿波二十三札所」
  第一番 竺和山「霊山寺」 同行二人、振出しの寺
  第二番 日照山「極楽寺」 霊験あらたか子安さん
  第三番 亀光山「金泉寺」 源義経戦勝祈願の寺
  第四番 黒巌山「大日寺」 朱塗の門
  第五番 無尽山「地蔵寺」 五百羅漢
  第六番 温泉山「安楽寺」 駅路寺とさかさ松
  第七番 光明山「十楽寺」 盲目に霊験あらたか
  第八番 普明山「熊谷寺」 四国最大の二王門
  第九番 正覚山「法輪寺」 四国唯一の涅槃像
  第十番 得度山「切幡寺」 女人変身仏の寺
  第十一番 金剛山「藤井寺」 大師ゆかりの大藤棚
  第十二番 摩盧山「焼山寺」 阿波一番の難所
  第十三番 大栗山「大日寺」 一宮別当寺
  第十四番 盛寿山「常楽寺」 波紋岩の上に建つ
  第十五番 薬王山「國分寺」 荒廃した堂塔
  第十六番 光曜山「観音寺」 印象的な山門
  第十七番 瑠璃山「井戸寺」 蜂須賀家別邸の山門
  第十八番 母養山「恩山寺」 大師母削髪所
  第十九番 橋池山「立江寺」 鉦の緒にからむ女の黒髪
  第二十番 霊鷲山「鶴林寺」 鶴が運んだ地蔵
  第二十一番 舎心山「太龍寺」 大師修行の聖地
  第二十二番 白水山「平等寺」 イザリ車の霊験
  第二十三番 医王山「薬王寺」 厄除けの寺

  修行の道場(土佐十六札所)
  第二十四番 室戸山「最御崎寺」 空海と改名の地
  第二十五番 宝珠山「津照寺」 カジ取り地蔵縁起
  第二十六番 龍頭山「金剛頂寺」 大師修行の西寺
  第二十七番 竹林山「神峯寺」 土佐の関所寺
  第二十八番 法界山「大日寺」 土佐藩の祈願寺
  第二十九番 摩尼山「国分寺」 本堂柿葺の寺
  第三十番 百々山「善楽寺」 開創霊場
  妙色山 「安楽寺」 本尊奉安
  第三十一番 五台山「竹林寺」 坊さんかんざしゆかりの地
  第三十二番 八葉山「禅師峰寺」 船魂観音の信仰
  第三十三番 高福山「雪蹊寺」 慶雲寺の別称
  第三十四番 本尾山「種間寺」 柄杓の底を抜いて安産祈願
  第三十五番 醫王山「清滝寺」 仏の胎内を回り厄よけ
  第三十六番 独鈷山「青龍寺」 竜の不動さま
  第三十七番 藤井山「岩本寺」 三度栗の不思議
  第三十八番 蹉蛇山「金剛福寺」 赤いツバキのトンネル
  第三十九番 赤亀山「延光寺」 赤亀が背負ってきた銘鐘

  菩提の道場(伊予二十六札所)
  第四十番 平城山「観自在寺」 四国霊場の裏難所
  第四十一番 稲荷山「龍光寺」 三間のお稲荷さん
  第四十二番 一力山「仏木寺」 牛馬の守り本尊
  第四十三番 源光山「明石寺」 源頼朝ゆかりの古刹
  第四十四番 管生山「大寶寺」 面白い落書き帳
  第四十五番 海岸山「岩屋寺」 お山全体がご本尊
  第四十六番 医王山「浄瑠璃寺」 じょうろり寺山
  第四十七番 熊野山「八坂寺」 文武天皇の勅願所
  第四十八番 清滝山「西林寺」 杖ケ渕(井戸)の由来
  第四十九番 西林山「浄土寺」 空也上人ゆかりの寺
  第五十番 東山「繁多寺」 一遍上人修行の地
  第五十一番 熊野山「石手寺」 衛門三郎再来の石
  第五十二番 龍雲山「太山寺」 般若姫の伝説
  第五十三番 須賀山「円明寺」 隠れキリシタンの名残り
  第五十四番 近見山「延命寺」 智略、お粥で貧しさを訴える
  第五十五番 別宮山「南光坊」 大山祗神社の別当坊
  第五十六番 金輪山「泰山寺」 女人泰山の寺
  第五十七番 府頭山「栄福寺」 海上出現の阿弥陀如来
  第五十八番 作礼山「仙遊寺」 犬塚池の秘話
  第五十九番 金光山「国分寺」 日本唯一の唐ツバキ
  第六十番 石鉄山「横峰寺」 石鎚信仰ささえる寺
  第六十一番 栴檀山「香園寺」 信仰厚い子安大師
  第六十二番 天養山「宝寿寺」 安産の観音様
  第六十三番 密教山「吉祥寺」 成就石のいわれ
  第六十四番 石鉄山「前神寺」 石鎚社の東寺
  第六十五番 由霊山「三角寺」 一茶も参った古刹

  涅槃の道場(讃岐二十三札所)
  第六十六番 巨鼈山「雲辺寺」 海抜1000mの四国の高野
  第六十七番 小松尾山「大興寺」 胸うつ50基の遍路墓
  第六十八番 七宝山「神恵院」 一つのお寺に二つの札所
  第六十九番 七宝山「観音寺」 納経所は一つ
  第七十番 七宝山「本山寺」 太刀受けの仏の伝説
  第七十一番 剣五山「弥谷寺」 日本三カ所死霊の寺
  第七十二番 我拝師山「曼荼羅寺」 大師ゆかりの不老の松
  第七十三番 我拝師山「出釈迦寺」 捨身ケ獄禅定は奥院
  第七十四番 医王山「甲山寺」 満濃池築造祈念の寺
  第七十五番 五岳山「善通寺」 弘法大師誕生所
  第七十六番 鶏足山「金倉寺」 乃木将軍妻返しの松
  第七十七番 桑多山「道隆寺」 蘇った乳母の伝説
  第七十八番 仏光山「郷照寺」 金比羅宮への上陸港
  第七十九番 金華山「天皇寺」 八十場の泉の霊験
  第八十番 白牛山「國分寺」 大蛇がかぶっていた名鐘
  第八十一番 綾松山「白峯寺」 ホトトギスの落し文
  第八十二番 青峰山「根香寺」 牛鬼退治の伝説
  第八十三番 神亳山「一宮寺」 地獄の釜の音がする
  第八十四番 南面山「屋島寺」 日本三名狸の蓑山大明神
  第八十五番 五剣山「八栗寺」 下駄の汚れが加護の証拠
  第八十六番 補蛇洛山「志度寺」 謡曲(海女)の舞台
  第八十七番 補蛇洛山「長尾寺」 賑わう大会陽(力餅)
  第八十八番 医王山「大窪寺」 結願の寺


服 装
 (1) 白衣
 (2) すげ笠
 (3) 金剛杖
 (4) 念珠
 (5) 納め札
 (6) 札入
 (7) 輪袈裟
 (8) 手甲
 (9) 脚絆

お参り順
 一番〜八十八番の順で回り、八十八番が終わると最初に参ったお寺にお礼参りし、高野山に報告参りをします。

参拝の仕方
 門前で一礼した後、本堂へ
 (1) 納め札を納める。(写経を準備した方は、写経を納める)  
 (2) 灯明、線香、お賽銭を供える。
 (3) 念珠を手にして、左手は人差し指、右手は中指にかけて、四〜五回すり左手に一重にかける。
 (4) 経本を開いて、お経を読み上げる。
 (5) 念珠を(3)の要領でかけて願い事を祈る。
    本堂での祈願終了後
 (6) 大師堂に参り、本堂と同じようにお祈りする
 (7) お祈りがすめば納経所でお経を納めた受領印を頂き門前で一礼して次の寺に向かう。

     四国霊場八十八カ所巡り