乃木館へご案内

 この建物は、明治31年10月1日、旧軍第11師団が四国全域を管区として編成された際、師団司令部として建てられたもので、善通寺駐屯地では通称「乃木館」と呼ばれています。
 初代師団長には、軍神として名高い乃木将軍が着任され明治31年10月1日から明治34年5月22日までの2年8ヶ月間ここで勤務されました。 その後昭和20年の終戦まで25代にわたり歴代師団長が勤務されました。第11師団はこの間、日露戦争・シベリア出兵・上海事変等々の戦役に参加して赫々たる武勲をあげ、その名を天下に轟かせました。
 この輝かしい伝統と由緒ある「明治の館」は戦後郵政省簡易保険局が使用し、昭和36年1月陸上自衛隊に移管され同年8月から約20年間、第2教育団本部として使用されました。
 昭和56年3月25日第2混成団が編成され混成団本部(司令部)がこれを引継ぎ平成18年3月27日まで使用。現在は第14音楽隊が使用しています。
正面玄関から見た中央階段  正面玄関から見た中央階段です。現在も大きく手を加えることなく大切に使用されています。
師団長室  この部屋は、乃木師団長以下歴代の師団長が実際に執務をしていたところです。現在では、乃木将軍にまつわる品々を展示しています。
 中央の机と椅子2脚は歴代の師団長が実際に使われていたものです。小さい椅子(右側)が初代、乃木師団長から第5代土屋師団長まで、大きい椅子(左側)は第6代伊地知師団長から第25代大野師団長までが実際に使われた椅子です。

 
乃木師団長 初代師団長 乃木 希典     
水師営の会見  日露戦争の乃木将軍の写真といえば、「水師営の会見」が有名です。小国日本が大国ロシアの要塞を攻め落としたということで、海外の記者が歴史的な大ニュースを掴むために押しかけ、撮影されたものです。
 この写真の右に見えます木は、水師営の歌にも出てくるナツメの木です。そしてこの建物の前に、株分けされた水師営のナツメの木が植えられています。
歴代師団長の写真  この部屋は、歴代の師団長の写真と経歴を展示している部屋です。初代、乃木師団長から25代、大野師団長までの写真がすべて揃っています。しかし、写真は24枚しかありません。
 実は第3代の土屋中将は第5代師団長でもあるからです。日露戦争に参加していた際、土屋中将は頭部を負傷。こちらへ帰って治療をした後、再び師団長を務められました。
歴代師団長の写真を見る

           (初代〜25代)
東鶏冠山  左の図は、当時世界で最も強固であると言われた東鶏冠山(ひがしけいかんざん)の要塞図です。この要塞は、約7年の歳月かけて築き上げられました。
 ※堡塁(ほるい) :石、土砂、コンクリートなどで構築された陣地
陸軍大演習の写真  ここからは、時代が大正、昭和へと変わります。大正11年、摂政宮殿下(のちの昭和天皇)がお見えになり、陸軍大演習が行われた際の写真を展示しています。
勲記と勲章  額に入ったものが勲記といい、勲章と共に与えられる証書です。それぞれの勲記と勲章が一対になっています。
海軍旗とZ旗

 この部屋は、海軍に関する品々を展示しています。正面の絵は、世界3大海戦の1つである、日本海海戦においてバルチック艦隊と軍艦「三笠」が一戦を交える直前の様子を描いたものです。中央の白いひげをたくわえ、双眼鏡を持っているのが東郷平八郎元帥です。
 「皇国の興廃 此の一戦に在り 各員一層奮励努力せよ」とZ旗が掲げられ、いよいよ戦いの火ぶたが切られます。そして日本海軍はのちに「東郷ターン」と呼ばれた独自の戦法でバルチック艦隊を撃滅しました。これにより日本は、日露戦争における勝利を確実なものとしていきます。

陸自と旧陸軍階級章の比較

 この部屋には旧陸軍の資料が展示されており、現在の陸上自衛隊と旧陸軍の階級章の一覧が展示されています。

航空機精密構造図  こちらのパネルは、東京陸軍航空学校出身の宮武郁人氏が書いた「航空機精密構造図」です。太さの違うボールペンのみで書かれたもので、1枚を完成させるのに3週間から1ヶ月が費やされています。
第2混成団コーナー  この部屋は、第14旅団の前身であった第2混成団の部隊の紹介と、イラクにおける人道復興支援活動の様子が展示されています。
 この他、ここでは紹介しきれない沢山の資料が展示されていますので、善通寺へお越しの際はぜひ乃木館に御来館下さい! 入場はもちろん無料です。


 ○ 見学時間
   午前 9時00分〜午後12時00分
   午後13時00分〜午後16時00分  

 ○ 開館日:平日(水曜日を除く。)

 

 
 
※     軍神乃木将軍  香川県中讃の郷土史を見る   資料提供:中山重臣
**見学のお申し込みは**
善通寺駐屯地広報班
    〒765−8502 香川県善通寺市南町2−1−1
    電話(0877)−62−2311 (内線2321)


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