防衛大学校、防衛医科大学校 自衛隊の大学

自衛隊には高校生にとって一般大学と比べても難関とも言える2つの大学校があります。それが9月から募集受付が始まる種目、防衛大学校、防衛医科大学校です。いずれも学費がかからず、かつ給与ももらえるということと、特に学費が高額になる医学系の大学では唯一の学校といえるでしょう。今回は防衛大学校と防衛医科大学校についてご紹介しましょう。

将来の幹部自衛官を養成する防衛大学校

防衛大学校は将来、各自衛隊の幹部自衛官となる者(パイロット要員含む)を4年間の修業期間において養成する制度です。卒業後は陸・海・空曹長に任命され、幹部候補生として陸上・海上・航空自衛隊の幹部候補生学校に入校します。幹部候補生学校では、初級幹部として必要な知識及び技術の修得のための教育を受け、約1年後に3等陸・海・空尉に昇任します。その後、自衛隊の職種・職域に応じた専門教育を受けながら幹部としての道を進みます。

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防衛医科大学校紹介ムービー

防衛大学校

防衛大学校のキャンパスは三浦半島の東端近く、東京湾を臨む横須賀港の走水地区に位置します。このあたりは幕末にアメリカのマシュー・ペリー提督が黒船で来航したことで有名な地です。学生は、全員が入校と同時に「学生隊」に属し、4年間にわたって校内の学生舎で規律正しい生活を送ることになります。
教育課程は、大学設置基準に準拠し、教養教育、外国語、体育の科目と専門科目(人文・社会科学専攻又は理工学専攻)を一般大学と同じように教育するととも に、本校独自の防衛に関する学術分野である防衛学の教育を行っています。2学年で専門基礎を履修するとともに、2学年からは各学科に分かれ専門科目を履修し、4学年で指導を受けて卒業論文を提出します。教養教育、外国語、体育及び防衛学は1〜4学年にわたって履修します。
訓練課程には主に第1学年時に履修する共通訓練と、第2学年から陸上・海上・航空の各要員に指定され、この要員区分別に履修する専門訓練があります。1、2学年時は毎週1回2時間、3、4学年時は隔週1回2時間の訓練課程教育を受けます。また春・夏・秋・冬の定期訓練があり、訓練時間は4年間を通して1,005時間になります。

防衛医科大学校サイト

将来の幹部医師を目指す防衛医科大学

防衛医科大学校は、学校教育法に基づき医学教育を行う大学の設置基準に準拠して教育を実施しています。また、その教育目標は、自衛隊医官の特性を基調とした人格、識見ともに優れた有能な総合臨床医の養成を目標としています。将来、医師でありかつ幹部自衛官としての重責を担ってゆける資質を備えた人材を養成します。

防衛医科大学校

キャンパスのある所沢市は、埼玉県の南部にあります。プロ野球球団、埼玉西武ライオンズの本拠地として有名な土地です。駅前には西武、ダイエー、西友など大規模な商業施設が進出しており、新宿や池袋へはもちろん、東京メトロ副都心線への乗り入れにより渋谷へもダイレクトにアクセスすることができます。
防衛医科大生はここで6年間の教育訓練と全寮制の規律ある団体生活を通じて、医師としての知識や技能のほかに、生命の尊厳への理解やあらゆる任務を遂行できる強靱な体力も養ってゆきます。
教育課程は、1年次から2年次にわたる進学課程、1年次後半から6年次までの専門課程、1年次から6年次までの訓練課程により構成されています。 特に専門課程は、21の臓器別等の授業科目で構成され、基礎医学(解剖学、生理学、薬理学、病理学等)と臨床医学(内科学、外科学、小児科学、放射線医学等)を有機的に統合させた形の講義、実習及び病院実習を通じて、医師として必要な専門知識や診断法などを効率よく習得できるよう配慮しています。
また4年次後半から6年次までの間、「内科系臨床実習」及び「外科系臨床実習」として病院における臨床実習を中心に臨床教育が行われます。 卒業後は幹部候補生として陸上・海上・航空自衛隊の幹部候補生学校に入校、幹部自衛官として必要な知識及び技術の修得のための教育を約6週間受けます。医師国家試験に合格し、かつ幹部候補生学校を卒業した者は2等陸・海・空尉に昇任します。医師免許を取得した者は、2年間の臨床研修を防衛医科大学校病院などで受けます。その後各自衛隊の病院、部隊などに勤務します。なお、卒業後9年間は自衛隊に勤務する義務があります。

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防衛医科大学校紹介ムービー

防衛医科大学校サイト

新たに防衛医科大学に開設された4年生の看護学科コース

防衛医科大学校看護師養成課程(自衛官候補看護学生)は、高等看護学院看護学生に代わって新たに新設された保健師・看護師である幹部自衛官となるべき者を育成するコースです。4年間の教育を受け保健師・看護師の国家資格の取得を目指します。免許取得後は、陸・海・空各幹部候補生学校に入校し、幹部自衛官に必要な知識と技能を学びながら、幹部としての資質を養います。その後、自衛隊看護師として全国の自衛隊病院や衛生科部隊等で勤務し、実務経験を積んでいきます。

防衛医科大学校で学ぶこと

学生は、全員入校と同時に学生舎で生活することが義務づけられ、4年間校内の学生舎にて生活を送ることになります。 4年制の看護師養成課程では、一般教養科目を充実させるとともに、保健師・看護師に必要な特色ある教育を行います。さらに、看護師たる幹部自衛官になるべき者にとって必須となる防衛看護学など特色ある教育、部隊実習、基本教練といった訓練を実施していきます。

●臨地実習を重視したカリキュラム

看護の基礎分野から始まり、専門基礎分野、専門分野そして統合分野へと体系的に看護学を学ぶことができます。
【実習・研修施設】
病院、老人介護施設、保育園、リハビリセンターなど

●看護師国家試験合格率ほぼ100%

教官たちは、全員合格に向け模擬試験を交えて丁寧に個別指導を行います。そのため、看護師国家試験の合格率は99.0%、平成23年、24年は100%を誇ります。(昭和34年〜平成22年/前身である自衛隊中央病院高等看護学院(3年制)の実績)

●将来の進路

陸、海、空自衛隊の幹部候補生学校及び自衛隊病院等において所定の教育訓練及び新人看護職員研修を受け、その後、陸、海、空自衛隊の保健師・看護師である幹部自衛官として自衛隊病院、部隊などで勤務することになります。

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防衛医科大学校看護学科紹介ムービー

チホンから届いた防衛大学校、防衛医科大学校学生のメッセージ

防衛大学校、防衛医科大学校に興味を持った方のために、各地本から届いた現役防衛大学校、防衛医科大学校学生の声をご紹介します。最寄りの地本に問い合わせると、受験方法や体育など詳しい内容を紹介してくれます。ぜひご検討ください。

さあ、あなたも地本の人に会ってみませんか?