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宮本武蔵の「五輪書」に「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす。」という有名な言葉があります。千日は3年、万日は30年です。千日の鍛と万日の錬を自衛官に当てはめてみますと、自衛官が入隊してから3年間は基本基礎を学ぶ期間で、この間にしっかり訓練すれば鍛に達するのでしょう。ほとんどの自衛官は、定年退官する時に30年以上勤務することになりますが、退官する時点で錬の域に達しているか否かが問われます。遠軽の第25普通科連隊には「風雪磨人」という伝統のスローガンがありますが、良い言葉です。「風雪磨人」から「訓練磨人」という言葉が連想されます。訓練は人を鍛錬し磨きます。そして、「訓練磨人」が「錬磨無限」へとつながっていきます。 東部方面隊は、7月16日から20日までの間、24JXR(平成24年度自衛隊統合防災演習)に参加しました。首都直下地震が発生したという想定で、これにいかに対処するかを訓練しましたが、教訓の多い画期的な演習となりました。演習を終えて思うことは、「錬磨無限」つまり演習・訓練を何回も繰り返し実施し、その能力を常に高めることの重要性です。特に方面総監部や師団司令部は、あらゆる機会を活用して頻繁に訓練を実施し、その練度を向上しなければいけません。今回は、総監部としての準備訓練を徹底しましたし、本番の演習でも隊員の練度が日に日に向上していくのを実感しました。今回の演習で私が強調したのは、錬磨無限の他にICT(情報通信技術)の活用、心身の健康の重要性などです。 私は、3年前に第2師団長として、将来の陸上自衛隊の戦い方、指揮幕僚活動の在り方、編成装備の在り方、訓練の在り方について部隊実験を担当しました。その際に痛感したのはICTの活用の必要性です。ICTの急速な進歩に伴って戦い方も変わりますし、指揮幕僚活動も変わってきます。今回の24JXRにおいても、「ICTを活用した最適な指揮幕僚活動」を追求しました。部隊の活動には情報の共有とそれに基づく認識の共有が必要です。ICTの発達は、我々の情報の共有と認識の共有を大幅に向上してくれました。ICTの活用は、避けて通ることのできない道なのです。 今回の演習は5日間で終了しましたが、実際の災害派遣は数ヶ月間続くでしょうから、継続的な活動が可能となる心身の健康は重要です。心身の健康なくして災害派遣での任務完遂はありません。そして、心身の健康は、平素からの生活習慣つまり良き体の生活習慣と良き心の生活習慣が不可欠です。強靱な自衛官とは、良き体の生活習慣と良き心の生活習慣を実践する自衛官なのです。有事のみの付け焼き刃は通用しません。 |
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