Interview in September,22,2006
| 「お疲れさまでした!」。救命装備の事務所に、女性らしい明るい声が響きます。T―4練習機から降り立ったパイロットが先ず向かうのが、この救命装備のカウンター。ヘルメットと救命胴衣を脱ぎ、それをチェックするためです。樋口3曹は、青森県三沢出身。中学時代から両親に『自衛隊はいいぞ』『航空自衛隊に入れ』と言われ続け、「高校3年の時には絶対入らなくてはいけないと感じていました(笑)」。救命装備員の主な仕事は、ヘルメットや救命道具などパイロットが直接使う装具の整備、パラシュートや救難信号を発信する機械など機体に納められている装備の整備のふたつ。「普通はそれぞれ別の部隊がやるのですが、入間は部隊が小さいので、ヘルメットを触るのもパラシュートを畳むのもひとつの所で行います」。すべての仕事を一度に覚えられるので好きだと言う樋口3曹ですが、入間基地に来て何より嬉しいのは、パイロットと直接話せるようになったこと。「私が扱った装備を『ああ、この人たちが使うんだ』という実感がありますし、思い入れというのも違ってきます」。 | ![]() 帰ってきたパイロットがヘルメットと救命装具を預けるカウンター。明るい笑顔で迎えます。 |
救命装備品というのは、使われないのが普通。使われる時というのは、飛行機に何かがあってパイロットが脱出しなくてはならない時。「そのパイロットの命を救うために、紐1本が数ミリでもずれないように揃える。『これであの人の命が助かる』という責任感と充実感があります」。辛い出来事も経験してきました。平成11年、所属航空機の墜落事故。パイロットが背負っていたパラシュートは彼女が手渡したものでしたが、残念ながら助かりませんでした。脱出高度が足りなかったためパラシュートが開かなかったのです。「きちんと畳めたからといって、その力が発揮できるとは限らない」ことを痛感。以降「絶対帰ってきて!」という思いは、より強いものになったと言います。 |
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![]() パラシュートや装備のほつれを縫うミシン。「男性のほうが上手です。結構細かい所まで縫えるのでビックリ」。 |
![]() パイロットの身体に合っているか最終チェック。 |
![]() 「だ液や汗が詰まるバルブの交換が一番多いですね」 |
入隊当初は、男性も女性もなく、「バリバリやらなきゃいけないものだと思っていた」という樋口3曹。ある先輩から『その場の空気を和ませたり、みんなが働きやすい雰囲気を作ることも大切』ということを言われ、考え方が変わったと言います。「私は笑いがある職場が好きなので、できるだけ笑顔で仕事をするように心掛けています」。そして今日も"絶対帰ってきて"の思いを込めて、パイロットを送り出します。「行ってらっしゃいませ!」 |





