9月活動状況
西部航空方面隊は9月27〜29日の3日間、航空自衛隊春日基地内において、能力開発設計集合訓練を行いました。
この訓練は定年退職10年前の隊員を対象とし、「残る人生をどう生きるか?そして必ずやってくる再就職に備えて自分の能力をどうしていくか?」というテーマについて人生経験豊かな部外講師を招いて、九州及び沖縄から幹部自衛官38名が参加しました。
3日間にわたる訓練を通じて参加者は、「自己を見つめ直す事ができた。」「定年に向けての能力開発の必要性を強く認識することができた。」「定年までに資格取得、人脈構築の重要性を把握できた。」等それぞれの将来に向けた努力目標を見いだせたようです。この思いが冷めぬ内に早く具体的なアクションを取ってもらいたいものです。『光陰矢の如し。』10年はあっという間ですから...。
制服を脱ぐと立派なサラリーマン!? |
部外講師による教育(西防群会議室にて) |
西空司令官は、9月13日から9月15日までの3日間、韓国空軍南部戦闘司令官との交流行事を行いました。この交流行事は毎年行われており、本年度は韓国空軍南部戦闘司令官を日本に招いたものです。
福岡空港に降り立った韓国南部戦闘司令官は西空司令官に負けず劣らないイケメンで、その勇姿を現しました。初日は春日基地で西空司令官との意見交換等から始まり、相互の理解を深めました。午後から、南部戦闘司令官は背振山分屯基地見学を行い、厳しい高所の環境にあるレーダーサイトを研修されました。
交流2日目は、U−4型航空機で築城基地に移動、基地司令の出迎えを受け、その後、築城基地に配備されている最新鋭支援戦闘機F−2と7高隊のペトリオットPAC−3を見学しました。特に南部戦闘司令官の随行者の中には、現役のF−16戦闘機(F−2制作のベースとなった航空機)のパイロットもおり、自国の戦闘機との違いを体感していました。
研修最終日は、太宰府天満宮及び九州国立博物館見学を行い、日本の文化に触れられました。
3日間、盛りだくさんの交流行事を終えて、南部戦闘司令官は福岡空港で西空司令官に見送られ帰国されました。来年は、西空司令官が韓国を訪問する予定です。
西空司令部にて和やかに懇談 |
記念品交換で日韓の絆を |
築城基地にて航空機(F-2)見学 | PAC−3の見学 |
太宰府天満宮の参拝 | 九州国立博物館でガイドの説明を受ける南部戦闘司令官 |
9月1日は防災の日。
この時期に合わせて、8月26日から9月8日までの間に西部航空方面隊隷下の部隊において、各種の防災訓練を実施しました。
東海地震を想定した自衛隊統合防災演習では、8月31日に陸上自衛隊西部方面隊の部隊と西警団(春日基地)が板付において、災害派遣用資材のパレタイズ訓練を行いました。パレタイズとは、輸送機専用のパレットに貨物を積んでネットやベルトで固定する作業のことです。
各基地ごとの防災応急対処訓練では、災害派遣等を想定した訓練として早朝からの呼集訓練、派遣隊編成や救助器材の取り扱い訓練などを行いました。また、春日基地西警団は9月1日の太宰府筑紫野総合防災訓練に、新田原基地5空団は9月5日の宮崎市総合防災訓練に参加し、災害時の活動について陸上自衛隊や消防署等との連携を強化しました。
なお春日基地では、9月1日の昼食に缶飯(戦闘糧食)を用意し、隊員は災害時を想定した献立を味わうことになりました。
陸自パレタイズ訓練を指導中(板付:西警団) |
カレーライスの炊き出し (太宰府筑紫野総合防災訓練:西警団) |
応急救護所(エアーテント)の設置 (太宰府筑紫野総合防災訓練:西警団) |
応急救護所での共同作業 (太宰府筑紫野総合防災訓練:西警団) |
女性自衛官も活躍(春日基地) | 車両からの救出訓練・車体切断中(築城基地:8空団) |
防災の日(9月1日)お昼ご飯(春日基地) | 味は・・・微妙? |
22.9.1(水)に山口県岩国市周東町で発生した山林火災に対し、22.9.2(木)山口県知事より陸上自衛隊山口駐屯地司令へ災害派遣要請がありました。
同日、災害地区を統括する陸上自衛隊中部方面総監より西部航空方面隊に協力依頼があり、西部航空方面隊司令部から現地調整幹部1名を災害現地対策本部(山口県岩国市消防本部)へ派遣、同時に春日ヘリコプター空輸隊(福岡県春日基地板付地区所在)のCH−47Jヘリコプターを派遣し、消火活動を行いました。
活動内容は、参加した関係機関である北九州市防災ヘリ、広島県防災ヘリ及び陸上自衛隊ヘリ(CH−47J及びUH−1)と協力して、現場近くの「中山川ダム」で消火バケット(約5トン)に水を汲み火元に散水する空中消火を行いました。
折からの猛暑による乾燥とあいまって山間部での消火活動は難航しましたが、関係機関の地上と空中からの連携消火により、徐々に火の勢いは小さくなっていき、災害現地対策本部より、22.9.3(金)1820「鎮圧宣言」が発表されました。
春日ヘリコプター空輸隊は、2日間で、計63回(水315トン)空中消火を行いました。
中山川ダムで消火バケットに給水中 |
春日ヘリコプター空輸隊による空中消火 |
陸自ヘリコプターによる空中消火 | 消火バケットを整備中のクルー(春日ヘリコプター空輸隊) |