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内線電話を制御する構内電話交換機。精密機械のため扱いは慎重になる。基盤1枚につき内線電話16台分が収容されている
電話の故障や増設の際は、電話用の端子盤をチェックする。机の下に潜るなど狭い場所での作業は日常茶飯事
通信隊整備小隊有線班

有線班は、入間基地内の電話線やホットラインなどの連絡網を一手に引き受け、回線の維持管理や機材の整備を行っている。他の部隊から「電話をつけてほしい」「回線をつなげてほしい」「電話機が壊れたから直してほしい」などの要望に、迅速に応えている。今の時代、有線の電話機ではなく携帯電話を使えば、広い敷地内を自由に利用できるように思えるが…。

「一般的な携帯電話の無線電波が届かない場所があります。一方、基地内のほぼすべての建物に電話線は引かれているので、入間基地では有線のほうがまだまだ多く使われています。ダイヤル式の電話だけではなく、受話器を上げたら相手に直接つながるホットラインも多く敷設されているのです」

松原2曹は入隊当時から変わらず、有線班に8年間在籍している。部隊の中核を成す立場だが、日々勉強の毎日。入間基地に導入されている電話交換機はメーカー1社のみの製品ではなく、数社に及ぶ。アナログの交換機は互換性がないため、接続する電話機の種類も交換機によりそれぞれ異なる。一般企業なら、修理保守は機材を納めた業者に依頼するケースがほとんどだろう。けれども、入間基地では有線班ができる限りその役割を果たしている。

「さまざまな会社の機材が納入されていますので、業者のマニュアルを見て勉強し、わからなければ業者の人に聞いています。構内電話交換機で制御される外線と内線はコンピュータで設定するため、全部やり方を教わって、あらゆるメーカーの交換機を自分たちで操作しています」

電話はつながって当たり前。そうはいっても、コンピュータで制御されていれば、経年劣化で故障もする。地中や電柱に張られたメタルの電話線も、屋外にさらされ続ければ錆びて使えなくなることもある。通信障害が起きるたびに有線班は奔走する。

その場その場での対応も必要だが、それ以上に準備の大切さを感じている。調理師免許を持つ松原2曹は、得意な料理に喩えた。

「作業の準備や手順、手際の重要性は、料理も有線班の仕事も同じ。料理は“仕込みが7割”といいます。作業も仕込みが大事で、いかに事前準備をしておくかです」

たとえば基地行事の航空祭や納涼祭。会場本部などと連絡を取るための臨時回線を設置する場合、事前調査を綿密に行い、その資料を整備して当日に備える。少人数でチームを組む有線班だからこそ痛感する言葉だ。

有線班にも、自衛隊ならではの訓練が存在する。入間基地だけでなく、市ヶ谷基地など他の航空自衛隊基地と臨時回線を構成する「回線構成訓練」がそれだ。通常業務の中で体得している知識や経験からすれば、この訓練自体は緊張することはない。また、入間基地内に限らず、海外派遣など基地との連絡用に回線構成を行う機会もあり、どこへ行っても必要とされる職種を、松原2曹は誇りに思っている。そんな松原2曹の将来の目標は、自らに尊敬する先輩や上司の姿を重ねている。

「信頼される人間になりたいです。職種があって、職場ごとに動く仕事ではありますが、職場に関係なく頼られる人になりたい」

一口に電話といっても、部隊ごとの多種多様な要望すべてに対応するには、まだまだ勉強は尽きない。的確でかつ信頼性の高いシステムを構築するためにも、知識やスキルをステップアップする努力を惜しまない松原2曹。その精神は、自衛官でありながら、一般企業の社員にも通じるものがありそうだ。

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基地内を移動するための有線班専用車両 「有線班はいろいろな部隊の人と会う機会があります。修理してお礼をいわれるのは嬉しいですね」

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