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入間気象隊は観測班のほか、現状の気象状態から今後の気象変化を予測する予報班、防空管制気象班、さまざまな気象観測に利用する機器を整備する整備班、それらをサポートする総務的な総括班などが存在する。観測班に所属する宮園3曹の職務は、一言でいえば航空機のパイロットへの気象支援。離陸する際の気象状況を判断し、予報班(予報官)へ報告。予報官はパイロットへ「発雷の可能性があります。ルートを変えてください」といったアドバイスを行う。宮園3曹の伝えるデータがあやふや、もしくは間違っていたら、それはパイロットの危険につながる。彼の責任は重い。

「予報班に属する予報官が本当に知りたいことを伝えるのが私の責任です」宮園3曹は、自分の仕事の重みを確認するように語った。一連の仕事の流れはこうだ。まず、観測装置とつながる端末とレーダーの情報から、風向・風速・気温・気圧などを確認。さらに精度を上げるため、屋外で雨・晴れ・曇りなどの天気、目視で視程(視界)、雲の高さ・量・種類などを確認する。目視で雲の高さや量、種類は分かるかもしれないが、視程(視界)はどのような基準で判別するのだろうか。「視程とは、どれくらい遠くのものが見えるか、つまり視界です。これは目印となる建物などを基準にして判断します」ちょっといいですか、と一緒に外へ出ると、宮園3曹は遠くに見える建物を指さした。「あの手前のマンションまでが約1qです。そしてその奥のスーパーの建物までが約2q。さらに北側の奥の鉄塔までが約5q。今日は天気がいいからはっきり見えますが、曇っているとあそこまでは見えません」専門用語を分かりやすい言葉に変え、身振り手振りを使って丁寧に教えてくれる様子から、彼の実直さが伝わってきた。

専門用語を噛み砕き、伝わり易いように丁寧に説明してくれた宮園3曹。

パイロットからの突然の気象確認。短時間で的確な応対が求められる重要な任務だ。

天気・視程・雲の高さ・厚み・種類。毎時最低1回は屋外で気象を確認する。同じ気象状況は2度とない。時には予報官とともに行う。

視界が悪く、目視で雲の高さが判断できない場合は風船を使用。雲の高さを測る風船は、きっちり0メートル地点から手放す。

このように最新の機器と積み重なる経験によって確認した気象状況を観測記録紙に記入し、予報官に伝える。予報官はその内容から数時間後の気象状況を予測。宮園3曹ら観測員は、その予測内容と現在の気象状況をWECOM(ウエコム)と呼ばれる端末に入力する。この入力データは各自衛隊航空基地だけでなく、国内及び海外の空港にも共有される。観測は1時間に1回は必ず実施し、天候の急変で重大な現象等が起こった場合は、飛行部隊の情報供給のため、その都度観測を実施している。天気は刻々と変化するものなので、その変化を見落とさないためにも24時間観測を行っている。

天気が悪く、雲の高さが分からない場合は機材を使用することもある。まず二人一組となり、一人は観測用の風船にヘリウムガスを入れ、直径1bほどまで膨らます。そしてもう一人は経緯儀という大きな三脚のような機材を用意し、手放した風船の方角、角度を計測する。「曇っていて空の色と雲の色が同じに見える日がありますよね。そんなときはこの機材を使用します。ストップウォッチで風船が雲に隠れて見えなくなる時間を測り、雲の高さを観測します。大体10分から30分で見えなくなりますね」この作業は夜間でも行われる。暗い夜空でも、じっと目を凝らすと見えるというのだ。ちなみに今日の雲の高さは? と質問すると、「真上は2万フィート、約6000b。あそこの厚くなっているところは5000フィート、約1500bです」と即答だった。

風船の行方は経緯儀で観測。画面上に手放した地点からの距離、角度などが映る。見えなくなるまで数十分続ける。

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