IRUMA AIR BASE 航空自衛隊 入間基地 TOP
ABOUT IRUMA SPECIAL FEATURE ACCESS CONTACT LINKS

「“なんでいつも怒っているんだ!?”。無愛想なせいか、初めて会う人にはよくそう言われてしまうのです」

身長180センチ・体重100キロの、鍛え抜かれたいかつい身体。泰然自若とした振る舞い。西田3曹は、日本の防空の一翼を担う地対空誘導弾「ペトリオット」の操作員。第1高射群第4高射隊に所属する、26歳の若き自衛官だ。

「高射」とは「高空へ向かって射撃すること」である。高射部隊の任務は、有事の際に、戦闘機などの要撃をかわして侵入してきた航空機を地対空ミサイルで撃破することにある。それだけに、これまでSpecial Futureで紹介してきたような職種とはちょっと違い、高射部隊の訓練成果を目の当たりにする機会は、いまだ無い。

「日本全国に6つの高射群が組織され、そのもとに全部で24の高射隊が配置されています。各高射隊ごとで、担当する空域の防空を担っています」

陸上自衛隊にも防空を旨とした高射部隊は存在するが、航空自衛隊の高射隊とは用いるミサイルの種類が異なっている。西田3曹の所属する第4高射隊は首都圏エリアの担当で、ペトリオット・システムを運用している。
「“ペトリオット・システム”とはアメリカで開発された、高性能な地対空ミサイルです。新聞やテレビのニュースなどでは、“パトリオット・ミサイル”とも呼ばれていますね」

撃墜するといっても、単にミサイルを発射するだけではない。レーダーによる目標の捜索から、追尾・識別を行う。そして指令が出たらミサイルを発射し、さらに誘導、命中の確認というプロセスがある。

「“ペトリオット”は、ミサイルそのものと思われがちですが、そうではありません。レーダーやアンテナ、管制装置などを含めた、ひとつの防空システムを指しているので、“ペトリオット・システム”と呼ばれるんです。ペトリオット・システムは、すぐに態勢を整えられる機動性の高さが特徴で、高性能レーダーを使って素早く、高い精度で標的を撃墜することができます。このシステムを運用することが、私たちの任務なのです」

想定する標的も、航空機やミサイルなど、いずれも高速で移動する物体だ。それだけに、悠長に構えているような時間はない。「平時の態勢から発射可能な態勢へ、素早く移行して任務に取りかかる。そのスピードが大切なんです。“安全・迅速・確実”が昔からの三大原則。その原則に基づいて行動しています」。
操作機器だけでも、膨大な量のマニュアルがある。「基本はすべて、頭にはいっていないといけない」。
TCO(タクティカル・コントロール・オフィサー)とTCA(タクティカル・コントロール・アシスタント)という役割がある。「私は“TCA”として、“TCO”の指示に従い、またサポートしながら、すべてのオペレーションを実行する立場にあります」
機器の操作、戦闘の技術、そして組織行動など、訓練項目も膨大。航空機やミサイルに関わるテクノロジーは、すさまじい進歩をしている。そうした知識も同時に習得していかなければならない。部隊の展開やリロード(ミサイルの積み替え)の訓練を、何度も何度も繰り返し行う。「座学だけでもダメ。高射の操作員は、カラダで覚えないといけない」。たくましい身体が、積み重ねた訓練の重みを物語る。それが万全な有事への備えとなる。

「私たちの訓練が無駄になれば…、つまり、私たちが活躍する機会が無ければ、それにこしたことはないと思っています。それが平和なのですから」。西田3曹が言うように、多くの訓練が訓練のままで終わってしまうかもしれない。

「たとえそうであっても、もしかして起こるかもしれない。そのいざという時に、私たちは確実に、任務を遂行できる人間になっていなければならないのです」
1  |  2  |  3
page top

Copyright 2004 IRUMA AIR BASE / Japan Air Self-Defence Force / All right reserved