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たとえば医者が手術時、患者の体内に医療器具を残さないようにと気を使うのと同様に、エンジンマンも工具の所在を常にきちんと把握しておく必要がある。そのために、スポンジを工具の形にあわせてくり抜いて工具箱の中に敷き、確認し易いように工夫した。
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エンジンはコンテナに入った状態で部隊に届けられる。コンテナから出すと、内部のブレードなど駆動系の部品以外は、補機類が何もつかないほぼ丸裸の状態。センサーやスターター、チューブやスイッチをはじめ数千点にも及ぶ部品を、ひとつずつ装備し組み立てる。
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赤崎3曹は飛行機一筋の人。航空自衛隊へ入隊した理由を尋ねると、間髪入れずに「飛行機が好きだからです」という、力強くまっすぐな答えが返ってくる。
出身は沖縄県宮古島。小さな頃は、プラモデルやラジコンなど、機械を組み立てることが大好きな少年だった。工業高校に通う傍ら、飛行機好きが高じて地元の民間航空会社でアルバイトを始めたのが、飛行機との最初の出会い。
「当時、尊敬していたあるパイロットが、フライトで宮古島に来るというので、会いに行ってサインをもらったことがあるんです」
そう言うと、ロッカーから色あせた一冊の本を取り出し、裏表紙に描かれたサインをみせてくれた。当のパイロット本人が著した航空機の本で、今でも大切に持ち続ける思い出の品。飛行機好きが高じてその道に身を投じた、現在の赤崎3曹のルーツともいえる出会いだ。
飛行機が好きで、それを仕事にしようと考える時、自分で操縦したいと思う人、つまり“パイロット”を目指す人と、飛行機を自分の手で扱いたい思う人、つまり“整備士”を目指す人との、大きく二つの道に分かれるという。尊敬するパイロットはいたものの、機械好きで、飛行機を突き詰めたいと思っていた赤崎3曹は、迷うことなく整備士としての道を選んだ。高校卒業後の平成4年、念願の航空自衛隊に入隊し、術科学校での教育を受けた後、現在の部隊に配置される。
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整備士の中でも、自衛隊を志した理由には、子供時代の経験があるという。
「小さい頃から、自衛隊の活躍を間近で見ていたので、その姿が強く脳裏に残っていました。自然災害などで宮古島に救援・救助に来島する自衛官を見ているうちに、自分も人の助けになるような仕事をしたいと思うようになったんですね」
今ではこれらの夢を実現し、自衛隊で航空機のエンジンを扱うエンジンマン。人生の分岐点では、ほぼすべてと言っても過言ではないくらい、“飛行機”をきっかけに選択してきた。自分の“好き”という気持ちを、シンプルに貫いた結果でもある。
ちなみに、奥さんとの出会いも飛行機がきっかけという。奥さんは民間の航空会社に勤める同郷のフライトアテンダント。帰郷した際に出会い、飛行機の話題で親交を深め、平成14年に結婚した。
休日の過ごし方を尋ねたら「今はラジコン飛行機に夢中ですね。近くに広い河川敷がありますので、組み立てて飛ばしています」と、オンもオフもやはり飛行機尽くし。まだ結婚したばかりで、それで奥さんの機嫌は大丈夫ですか?と尋ねてみると「妻は大丈夫です。私の飛行機好きは承知の上ですから。というより、もう呆れて諦めているみたいですけど…」
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